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誰もがスマホを持つようになり、スマホを利用した子供への犯罪が増えています。
このような犯罪を防ぐために、携帯電話会社に対して義務付けられ法律があります。
それが、「改正青少年インターネット整備法」です。
この法律が、今年2月に新たに改正されました。
スマホ閲覧を制限する機能の説明義務って何?
今年の2月から、携帯電話会社は、スマホの契約をする場合、利用者が18歳未満であれば有害サイトの閲覧制限のために「フィルタリング機能」を説明しないといけなくなりました。
契約者が親などの大人であっても、利用者が18歳に満たない子供であれば、説明は必用になります。
ただし、親がこの説明を不要と申し出れば、説明はしません。
そして、フィルタリング機能は、携帯電話会社が設定をその場でします。
この設定を行うと、
・アダルトサイト
・出会い系サイト
・その他有害情報サイト
へのアクセスが一切できなくなります。
つまり、意図的にフィルタリング機能を外さない限り、子供が犯罪に巻き込まれる可能性があるサイトへのアクセスができないのです。
このようなことをするのは、判断や認知能力が劣る子供を犯罪から守るためです。
2016年において、このフィルタリング機能の利用率は44.6%ですが、この法律の施行により、この比率が増えて犯罪が減ることが今回の法改正の狙いです。
親と子供の双方で、有害サイトに対する意識の共有が大事
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)は、今回の法律改正で、フィルタリングの名称を
・安心フィルター
に統一しました。
これにより、一般利用者にわかりやすくなりました。
携帯電話会社の店頭で契約する場合、利用者の保護者向けの書面に
・インターネット利用で有害情報に触れる可能性があることを理解した
というチェック項目を追加されました。
これは、スマホ閲覧を制限する機能の説明義務を果たしたことの証明とするためです。
ただし、いくらこのような法律を改正したり、フィルタリング機能を設定しても、課題が残っています。
それは、
・親が不要と申し出ればフィルタリング機能を利用しなくても問題ない
・子供がフィルタリング機能を自分で解除することができる
ためです。
ですので、親と子供の双方が有害サイトの閲覧に対して危機感を持ち、フィルタリング機能の設定を必用な機能として認識する必用があります。
SNSの利用方法について、学ぶことが大事
フィルタリング機能は、設定方法がいろいろ変えられます。
設定によっては、SNSの利用ができます。
SNSは、現代人にとって便利だったり必用な面もあるので、一概に禁止するというわけにはいきません。
ですが、SNSをきっかけに犯罪に巻き込まれるケースは増えつつあります。
ですので、SNSの利用方法について、子供だけではなく大人も一緒に学びそれをフィルタリング機能に生かすことも必用になっていきます。
現在は、携帯電話会社が学校に出向いてSNSやスマホの利用方法について、教えるという取り組みが増えています。
また、内閣府のサイト
では、
・普及啓発リーフレット集
・フィルタリングについて
・行事等について
・普及啓発コンテンツ
・各種相談窓口
などの情報が掲載されています。
子供がいる家庭では、一度、目を通しておくといいでしょう。
まとめ
携帯電話会社に対して、スマホ閲覧を制限する機能の説明義務を課した法律が施行されたのは、子供がネット犯罪に巻き込まれる事件が増えているためです。
政府としては、何とかこの状態を打開したいための策の1つとして講じたのでしょう。
この法律により原則的に、子供の利用するスマホには、フィルタリング機能の設定がされます。
ただ、親の理解がなかったり、子供がフィルタリング機能を勝手に外すなどしてしまうと、この法律の意味はなくなります。
そのためにも、フィルタリングのないインターネット環境が危険であることを認識するための取り組みが必用です。
実際にどのような犯罪があり、その犯罪でどれだけの人が苦しんでいるか。
このような事例を取り上げ知ってもらうことも大事になるでしょう。
今回の法律の施行で、どれぐらいネット犯罪が減るかはわかりません。もしかしたら、それほど効果はないかもしれません。
大事なことは、インターネット環境はまだまだ安全性が担保されていない未開の地であるということを理解して、利用する際には十分に注意をすることです。
結局、フィルタリング機能を設定したり、インターネットの利用マナーを知りそれを守ることは、自分や家族を守ることにつながります。