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12/1のマイナビニュースの記事「3キャリア反撃の影響は? – 2017年のMVNO業界を振り返る」について、内容を紹介しながら私の感想などを書いていきます。
モバイル業界は多くの産業の中で今後も伸びが期待できる産業の1つです。
いわゆる3大キャリアが独占だった市場に参戦した格安sim。
その伸びは著しく、3大キャリアを脅かす存在になるかとも思われました。
実際に、格安simのシェアは大幅に伸びています。しかし、ここに来てその伸びは鈍化してきています。
そこには、大手キャリアの思惑が見え隠れしてます^^。
ほとんどの人が知っている「格安sim」
格安simという言葉ですが、現在、認知度は90%ほどになります。
MMD研究所の調査によると、
・格安SIMという言葉を知っている人 ⇒ 89.1%
・格安simがどんなサービスか知っている人 ⇒ 59.2%
・格安simの内容を理解している人 ⇒ 47.5%
です。
また、
・格安simの利用を検討している人 ⇒ 24.1%
・格安simを利用している人 ⇒ 15.9%
となっています。
格安simの認知度は、どんどん上がっていてそれに従って、格安simへの乗り換えを検討したり、実際に利用する人も増えているということです。
また、格安sim会社のCMも増えてきていたり、SNSで格安simについて言及されることも多くなっているので、これが、格安simの認知スピードを速めているように思います。
実際、格安simのシェアは、全体の8.5%で前年比で46.6%となり急激に伸びています。
来年には10%を越えてくる可能性がありますね^^。
大手の格安simへの刺客「Y!mobile」
MVNOのシェアは、
1位:楽天モバイル 25.9%
2位:mineo 12.2%
3位:IIJmio 11.2%
4位:OCN モバイル ONE 10%
5位:UQ mobile 6.6%
6位:BIGLOBE SIM 5.8%
7位:イオンモバイル 4.5%
8位:DMM mobile 3.9%
9位:LINE モバイル 2.7%
10位:Nifmo 2.3%
となっています。
シェアは上位3社で50%を越えていて、格安simも大手キャリアと同じく、一握りの会社の独占状態になっています。
これに対して、大手キャリアも黙っているわけではありません。
その1つが、サブブランド(Y!mobileやUQ mobile)です。
Y!mobileはサブブランドではないので上記のMVNOシェアには出てきてませんが、ここにY!mobileを入れるとシェアがトップとなります。
Y!mobileを加えて、シェア率を出した結果がこちら。
1位:Y!mobile 31.2%
2位:楽天モバイル 17.8%
3位:mineo 8.4%
Y!mobileの存在が大きいことがわかります。
Y!mobileはソフトバンクのサブブランドで、格安simの主戦場である3GBプランで格安simとそれほど通信料金が変わらないプランを出してます。
通話料金無料(10分以内)、データ容量月1GB(2年間はプラス1GBで2GB) ⇒ 1980円(2年目から2980円)
さらに、光とセットにしたり、2台目以降はさらに安くなり1480円となります。
ネット利用がそれほど多くなくて、電話はそこそこするユーザーには魅力的なプランです。
さらにCMもバンバン放映されていて、認知度が上がっているため好調に契約者が増えているようです。
詳細こちら(クリックして拡大)。
引用元: スマートフォンの料金プラン
MVNO選びは家族を巻き込む?!
MVNOと家族の関係が興味深いです。
親がMVNOを選んでいると、子供の79.3%がMVNOになっているそうです。
子供の通信料金はその多くが親が支払っているためにこのような状況なのでしょう。
モバイル通信についてよく知らない人は、たいてい大手キャリアと契約しています。
しかし、MVNOつまり格安simと契約している人は、ある程度モバイル通信の知識があります。
ですから、自分が選んだ格安simを子供にも利用させているのです。
逆に言えば、格安simはファミリー層にお得なプランを提供し、それを認知させるようにすれば、大きなシェアを得ることができるってことです。
iPhoneユーザーは格安simに切り換える人が少ない
調査によると、アンドロイドユーザーに比べiPhoneユーザーは格安simを使っている人が少ないようです。
その理由ですが、
・通信速度がどの程度かわからない
・iPhoneで利用できるかわからない
・通信品質が不安
・サポートが不安
・セキュリティが不安
・LINEなどアプリが使えるか不安
・サービスが長く続くか不安
・仕組みがよくわからない
などです。
たぶんiPhoneユーザーはアンドロイドユーザーに比べて、格安simについての知識がないのだと思われます。
だから、アンドロイドユーザーよりiPhoneユーザーの不安が大きいため格安simへ切り換える人が少ないんです。
だとしたら、不安に思っている人に対してできるだけわかりやすく説明して理解してもらうことが、格安simユーザーを増やすために必要です。
実際、私の知人も格安simどころかモバイルについての知識がある人はほとんどいません。
テレビと同じでよく知らないけど、スマホが便利で楽しいから使っているだけです。
格安sim会社の戦略
格安sim会社はこれからどうビジネス展開していくのか?
すでに価格競争はある程度のところまで来ています。
さらに安くするには、格安sim会社の努力だけでは難しいです。
そこでシェアが高い会社が取っている戦略は、
・独自のサービスの提供
です。
例えば、
・mineo ⇒ 会員サイトマイネ王を中心としたオンリーワンMVNOを目指す
・BIGLOBE ⇒ エンタメフリーなど特定のユーザー層に根ざしたサービスの提供
・イオンモバイル ⇒ 直営店での対面サービスや修理受付など安心感を前面に出す
確かにこの3つの格安simはどれも魅力があります。
mineoはどちらかというとモバイルリテラシーが高い人に好まれます。
BIGLOBEは、動画再生、音楽再生などに関心がある若年層が関心を持ちます。
イオンモバイルは、お年寄りやモバイルリテラシーが低い人が好みそうです。
まとめ
2017年は、MVNO(格安sim)が認知されてどんどん伸びてきた年です。
来年以降も提供サービスの工夫、認知度のアップなどが進めば今年以上の伸びが期待できます。
ただ、何もしないでも右肩上がりに伸びていくわけではありません。
格安sim会社は680社あまりもあるので、当然、多くは淘汰されていくでしょう。
生き残るためには、やはりコスパが高くて魅力的なプランをタイミング良く出していくことが大切になります。
特にSNSを利用した広告や認知が重要になってくると思います。
CMなどはとても強力なツールですが、資金力のバックボーンがないと経営悪化を招きかねません。だから、諸刃の剣です。
個人的に注目したい格安simは、楽天モバイル、DMM mobile、UQ mobileです。
いずれも特徴がある格安simなのでどんなサービスを出してくるか楽しみです(*^o^*)。