移動体通信

移動体通信に関わる会社は、大きく分けると

・三大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)
・大手キャリアサブブランド(Yモバイル、UQモバイル)
・格安sim

になります。

それぞれは、どのような特徴があるのでしょう。

大手キャリア、サブブランド、格安simの比較

比較

大手キャリア、サブブランド、格安simをいろんな視点から比較してみます。比較するのはこちら。

1、通信費用
2、通信速度
3、端末(価格や種類)
4、サポート体制

通信費用の比較

通信費用とは、インターネットや電話などを利用するためにかかる費用のことです。

費用は大きく分けると、

(1)データ通信の費用
(2)通話にかかる費用

となります。

(1)データ通信の費用

データ通信の費用が最も安くなるのは格安simです。次に安いのがサブブランド、そして最も高いのが大手キャリアとなります。

費用がどれぐらい違うかは利用データ量やオプションサービスにより異なりますが、一般的に、格安simにすると大手キャリアのデータ通信の費用の1/3~1/2となります。

そして、サブキャリアはこの2つの間ぐらいの料金です。

(2)通話にかかる費用

通話にかかる料金は大手キャリア、サブブランド、格安simいずれも20円/30秒です。

ただし、大手キャリアは、プランにより、無料通話やかけ放題サービスなどが用意されています。これは、サブブランドや格安simでも同じようにありますが、大手キャリアはもっとも充実しています。

格安simは、通話プランに関しては、大手キャリアやサブブランドより見劣りします。

ですので通話をメインで利用する場合、大手キャリアかサブブランドを利用した方がお得です。

通信速度の比較

通信速度に関しては、

大手キャリア > サブブランド > 格安sim

の順番になっています(大手キャリアが最速)。

ただし、一時的に通信速度がこの順番にならないこともあります。

また、通信速度の安定度に関しても、大手キャリアが最も安定しています。そして、格安simは、安定度が最も悪いです。

特に昼間はほとんどの格安simの通信速度が低速になります。

ただし、これは格安simが最も遅くなる通信速度のピークが昼になるように調節されている結果でもあります。

格安simは、利用者が多い時間帯で通信速度が最も遅くなるが最低限のことはできるように制御することで無駄なデータ通信投資を減らして利益を最大限にしようとしているんです。

端末(価格や種類)の比較

携帯電話、スマホ、タブレット、ルーターそれぞれについて比較してみます。

(1)携帯電話

いわゆるガラケーですが、これは、大手キャリアとサブブランドが主に扱っています。

ですので、ガラケーを使いたいのであれば、大手キャリアやサブブランドから購入するか、白ロムと言われるガラケーを販売しているショップから購入する必要があります。

格安simでもガラケーは使えますが、ガラケー利用はメールや電話利用がメインだと思うので、大手キャリアやサブブランドを利用したほうがコストメリットがあります。

(2)スマホ

大手キャリア、サブブランド、格安simのいずれもスマホを扱ってます。

ただし、扱っているスマホが違います。

大手キャリアは高額なスマホから低額なスマホまで幅広く扱ってます。また、独自のコラボスマホ(ディズニーモバイル)なども販売しています。

また、日本で人気なiPhoneなどは最新の機種を取りそろえています。

サブブランドは大手キャリアよりも扱っているスマホが見劣りします。例えば、iPhoneは最新機種は用意されておらず、旧機種のみ販売しています。

格安simは、大手キャリアで販売されている高級スマホはほぼ販売していません。

主に、中国、日本メーカーのsimフリースマホを扱っています。

ただし、格安simで高級simフリースマホ(Apple、Sumsung、Sony製など)を利用できるので、ショップで購入すれば最新のスマホを利用することができます。

(3)タブレット

大手キャリア、サブブランド、格安simのいずれもタブレットを扱ってます。

タブレットは利用者数がスマホよりも圧倒的に少ないため、大手キャリア、サブブランド、格安simとも種類はスマホほど多くはありません。

ただし、simフリー対応のものもたくさん販売されているので、どちらかというと格安simでの方が使いやすい感じがします。

(4)ルーター

大手キャリア、サブブランド、格安simのいずれもルーターを扱ってます。

ルーターを利用する目的は複数の端末での利用です。

そのため、タブレット同様、スマホに比べ利用者が少ないため、扱っている種類はスマホに比べて少ないです。

サポート体制の比較

サポートに関しては、大手キャリアが圧勝です。

とても手厚くてなっており、人をたくさんかけています。

サブキャリアは大手ほどではありませんが、やはりサポートはある程度充実しています。

格安simは、基本的に店舗がないところが多く、サポートは、ウェブ、メール、チャット、電話がメインとなっています。

そのために、大手キャリアやサブキャリアと比べると見劣りがします。

大手キャリア、サブブランド、格安simの比較のまとめ

大手キャリア、サブブランド、格安simを比較して、どれが一番よいかは一概に言えません。

視点によってどれがいいかが別れるからです。

例えば、コスト面から見れば格安simの圧勝です。断然コスパがいいからです。

しかし、サポート面から見れば、大手キャリアが優れています。

また、通信速度の面から見れば、大手キャリアの勝ちです。

サブキャリアは、コストは大手よりも安く、サポートは格安よりもよく、通信速度は格安simよりも速く安定しています。

ですので、

・とにかく通信費用の安い方がいい人は、格安simがおすすめ
・サポートが充実している方がいい人は、大手キャリアがおすすめ
・通信速度が速い方がいい人は、大手キャリアかサブキャリアがおすすめ

となります。

YモバイルやUQモバイルが急速に伸びている理由

成長

YモバイルやUQモバイルは利用者数を大幅に伸ばしてます。

この理由は3つあります。

1、CMで認知度が大幅にアップ
2、通信料金が大手キャリアより安い
3、店舗があり安心
4、通信品質(速度、安定性)が大手キャリアに近い

です。

まず1。YモバイルとUQモバイルのCMを見ない日は1日もないぐらいに、たくさん放送されています。

また、広告の量もハンパないですよね。

なので、YモバイルやUQモバイルの認知度はぐーっと上がりました。

次に2。大手キャリアの通信料金の高さに不満を持っていた人達から見ると、YモバイルやUQモバイルの価格は安いです。

しかも、ほとんどの人にとって十分なデータ量である3GBのプランがあるために、とても魅力的なのです。逆に言えば、格安simにとっては脅威となります。

次に3。YモバイルとUQモバイルは共に全国に店舗があります。これらの店舗に直接行って、相談できたり契約できるのは、スマホの知識がほとんどない人にとっては安心感があります。

最後に4。YモバイルやUQモバイルの通信品質は大手キャリアとそれほど変わりありません。ですので、使ってみて不満がないのです。一方、格安simはどうしても通信速度が遅くなります。

YモバイルやUQモバイルの特徴は、

「大手とそれほど変わりない通信速度と安心感がある」

ということになります。

ライトユーザー(使用データが月3GB未満)にとっては、とても魅力的と言えます。

このライトユーザーは、全ユーザーの56%です。

参考:スマートフォン・MVNOの月額利用料とサービス利用実態(2016年12月)

大手キャリアと格安simのシェアはこれからどうなる?

先ほど、YモバイルやUQモバイルのサブブランドは、大手キャリア系列)の利用者が増えていると書きました。

この利用者数の増加が原因なのかわかりませんが、格安simの伸びはこのところ鈍化しています。

これに対して大手キャリアも手放しに喜んでいるわけにはいきません。

なぜなら、大手キャリアからYモバイルやUQモバイルに乗り換える人もいるからです。

でも、結果として格安simへの流出は防げていることになりますので、大手キャリアの戦略がうまくいっていると言えます。

大手キャリアは総務省からの通達により格安sim会社へ回線を貸していますが、本当はやりたくないはずです。

だって、自分達の利益が減ってしまうからです。

しかし、大手キャリアが消費者に高額な通信料を課し独占的に利益をあげると、総務省への不満が増えます。これは総務省としても何とか避けたい。

そのために格安simのシェア拡大を促すような施策をやっているんです。

確かに、総務省の施策はうまくいきつつありますが、YモバイルやUQモバイルの台頭が水を差した形となっています。

格安simとしては、YモバイルやUQモバイルへの対抗策を新たに打ち出さないと、鈍化したシェアの伸びを回復させるのは難しくなるでしょう。

そして結果的に大手キャリアのシェアは減ったとしても、大手キャリアとサブブランドを合計したシェアはなかなか減りません。

まとめ

大手キャリア、サブブランド、格安sim、これらの3種類を比較してわかるのは、

「やはり大手キャリアは強い」

ということです。

格安simもあれやこれやといろいろな手を打っているようですが、大手キャリアと圧倒的な力の差があるため、なかなか勝てないというのが現実です。

格安sim会社としては、地道にシェア拡大のために努力を続けていくしかないでしょう。

あとは総務省の意向。これが大事です。

総務省のの格安simへの肩入れがどれぐらい続くのか、これによりかなり変わるはずです。

結局、総務省を動かすのは国民の意向です。

「通信費用高いぞコラ~」

と大きな声を出さないとダメかも(*^o^*)。