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先日、KDDIと楽天が業務提携を発表しましたね。
KDDIはauを率いる携帯電話会社の大手。
一方、楽天は大手携帯電話三社に対抗する第四の携帯電話会社に名乗りを上げ、いわばauはライバルとなります。
しかし、あえてKDDIと楽天は手を組みました。
この決断、KDDIにとっては本音を言えば提携したくないけど、致し方ないという苦渋の決断ではないかと私は思います。
KDDIと楽天の業務提携の内容
新聞やテレビですでに報道されていますが、KDDIと楽天の業務提携の内容はこちらになります。
大きくは3つ
1、通信
2、決済
3、物流
1の通信の提携内容ですが、大都市以外で楽天がKDDIのネットワークを利用し、楽天の全国展開をサポートします。
ただし、回線を利用できるのは2026年の3月まで。これ以後は楽天は自社回線を利用しないといけません。
2の決済に関しては、楽天の加盟店においてKDDIのQRコード決済を可能にします。
そして、3の物流に関しては楽天がKDDIにネット通販の物流を提供します。
これらの業務提携の内容を見ると、お互いにメリットがあります。
それは、コストメリット、時間的メリット、さらに対競争相手メリットです。
コストに関しては当然、提携することでお互いのリソースを利用できるので安くできます。
時間に関しても、新たに設備などを作る必用がなくなりメリットがあります。
そして、楽天がKDDIの2社が組むことで、ドコモやソフトバンクに対して優位に立てるというメリットがあります。
なぜKDDIと楽天は提携したのか?
今回の業務提携を決断した理由は上記に書いたようにメリットがあるからです。
しかし、お互いに相思相愛というわけではないですし、いくらメリットがあるからといってライバルと提携するのにはもっと切実な理由があります。
それは、「生き残るため」です。
今、通信業界は政府からも国民からも「通信料金が高い」という値下げ圧力にさらされています。
先日、ドコモが3~4割通信料金を下げるという報道もありました。
現在の流れから、いずれ値下げをせざるを得ないというのが通信大手三社の思いでしょう。
ただ、単に値下げしただけだと経営にかなりのインパクトがあります。
つぶれることはないでしょうけど、今のような安定経営は難しくなります。
そこで、両社は協力関係を築くことで何とか経営を安定させて生き残りをはかったのです。
KDDIと楽天はお互い何を目指しているのか?
KDDIの目指しているものは、こちら
・通信以外の事業の強化
です。
今まで比較的安定的に通信事業経営を行ってきましたが、ここにきて通信事業で安定収入を得ることが難しくなりつつあります。
でも、お金は儲けなくては食べていけません。
そこでKDDIが考えたのは事業の強化です。
インターネット通販、キャッシュレス決済など楽天の持っているノウハウをうまく活用して今の事業をさらに強くたり業務を拡大することで、通信料金の値下げを行っても経営が安定するように先手をうったんです。
ある意味、KDDIにとっては賭けでもあります。
一方の楽天。
楽天の目指しているものは
・第四の携帯電話会社として独り立ちすること
です。
ですが、通信環境を一から構築していかないといけません。
楽天がサービス開始を目標としている来年10月ですが、今のままでは全国の回線網を整えるのは無理です。
そこで一時的にKDDI(au)の通信回線を借りることで、自前の回線が整うまで時間を稼いだんです。
ただ、auの回線を借りて途中で楽天の回線を切り換える時に、いろいろ問題が生じる可能性があります。
このあたりも考えていかないといけません。
楽天にとってもある意味、綱渡り的な業務提携です。
果たして両社の思惑通りにうまくいくのか。
5Gも控えて、設備投資は今後も増えていく
今携帯業界では5Gへの動きが活発しています。
5Gを実現するためには莫大な設備投資が必用となります。
「4Gでも十分ではないか?」
このように考える人もいるかと思います。
ですが、通信業界は世界との競争でもあるので、最先端の5Gを日本がやらないわけにもいきません。
それに、今後、高画質化、VR化などが進めばデータ通信量は膨大に増えていきます。
すると4Gだと間に合わなくなってしまいます。
結局、携帯電話会社3社と楽天は、たくさんのお金が必用になってきます。
5Gに関して各社が独自回線を用意するのか、あるいは業務提携をしてお互いに設備を共有化し設備投資コストを削減をするのかはわかりませんが、どちらにしろ今後、携帯電話会社は経営の舵取りが大変になっていくと思います。
まとめ
KDDIと楽天の提携のニュースはちょっと驚きました。
お互いにライバルになる存在ですからね。
国や国民からの値下げ圧力は大手携帯3社だけでなく、楽天にとっても脅威です。
なぜなら、楽天は大手携帯3社と同様に甘い汁を吸おうと思って、第四の携帯電話会社として名乗りを上げたのですから。
もしかしたら、楽天は当てが外れたかもしれませんw。
ただ、楽天は携帯事業だけでなく、通販、金融、保険、トラベル、電子マネーなど多岐にわたります。
なので、携帯事業は抑えておきたいと思ったのでしょう。
今やスマホが情報のやり取りの主役ですし、今後もこの流れは続きそうですからね。
しかし、この業務提携が本当にうまく進み両社に利益をもたらすかはわかりません。
個人的にはやはり期限付きで終わるのではないかと思います。
やっぱりお互いライバルですからね(*^o^*)。